現代社会において、いたるところで広告を目にする。広告はプロモーションの役割をも ち制作されており、日本では毎年約6億円が投じられている。その金額から広告は商品やサ ービスの情報を伝達する手段として重要視されていることがわかるが、テレビ CM に関す る研究は画面上に映し出される映像や文字に焦点を当てており、音声や音楽に関する研究 は不十分である。
本研究では音声と音楽を音的要素と表現して、テレビ CM における音的要素の出現と、 出現時の映像・文字を分析し、音的要素がどのような情報を伝えているときに用いられて いるかを明らかにすることを目的とした。調査は先行研究をもとに記録用紙を作成した後、 2016年10月19日から2016年11月11日までに実際に放送されていたテレビ CM697本を対象に、
記録を行った。
収集したテレビ CM の構成要素の出現本数を集計し、音的要素の出現と映像・文字の出 現を比較すると、1つめにナレーションと商品、商品ロゴ、2つめにジングルと企業ロゴの 出現の仕方が似ていることが明らかになった。また、両者は出現の仕方が逆であることが わかった。このことから、テレビ CM はジャンルや訴求対象にかかわらず冒頭と終わりに 企業情報、終わりの少し前に商品情報を提示する傾向があることが示唆された。今後は、 本研究の調査は限られた期間で行い、訴求対象のジャンルで分けて分析をしていないため、 時代やジャンルによる比較が課題となる。
(指導教員 三波千穂美)